それでも、頑張るしかない

地獄でなぜ悪い フィクション

楽しい気分でハイキングでもしたい

一人でいい。本当はかわいい女の子なんかいればいいが、そんな親しい女の子は生涯いないので、妄想すら無理だ。だから、一人でいい。

天気のいい日に、アルミホイルに包んだおにぎりとお茶が入った水筒を持って、ハイキングがしたい。猛烈にしたい。

しばらく歩いたら、いい感じの木のテーブルで、おにぎりを食べたい。それが俺の最終回でいい。もう連載は終わりでいい。

いつも思うが、別に、明日やろうと思えば、ハイキングは可能だ。おにぎりと水筒だって、もちろん用意できる。俺には、奴隷の鎖を切る勇気がないだけだ。実現可能なことなのに、なぜか実現しない。別に仕事を辞めるわけじゃない。明日仕事を休むだけだ。なのに、それができない。

心から望んでいることを諦めて、心からやりたくないことをやる。簡単に、心から望んでいることができるのに。実現できるのに。俺も世界もいかれている。子供の頃の俺は、今の俺を見て、そのわけのわからない葛藤に対し、大きな疑問を持つことだろう。