それでも、頑張るしかない

地獄でなぜ悪い フィクション

世界に期待していた俺が悪いのか

いいことなんて何もない、嫌なことばかりだと、俺は嘆いていた。しかし、もういい加減、世界はこういう惨たらしいものなんだということを、その事実を、受け入れてもいいのではないかと思い始めた。期待していたのが悪かった。世界は元々、どうしようもないものじゃないか。俺は上司に、もう俺の能力は上がらないから諦めてくれと、いつも思っていた。でも、見方を変えれば、世界の方だって、俺に対してそう思ってたんじゃないだろうか。

昼休みが終わる。午後、仕事をしないといけない。俺はもう戦えない。とっくに戦えない。入社式の日から、戦えないのは分かっている。でもここまで、這いつくばってきた。とっくに限界を迎えていたが、俺にはそんなことは関係なかった。崩壊するまで働き続けるという、自分に課したハードルは、余りにも厳しい。早く崩壊して欲しいが、なかなか崩壊なんてしない。下手に身体が丈夫なのがよくないのかもしれない。こんな思いをしてまで仕事をやるなんて、馬鹿らしいのはよく分かってる。俺の社会へのへばりつきかたといったらない。社会に適合しているのではなく、へばりついている。