それでも、頑張るしかない

地獄でなぜ悪い フィクション

なぜこのまま寝てちゃいけないんだ

私はラジオが好きだ。中学生のころなんか、主要な放送局の番組表は、大体暗記してたくらいだ。

今も、寝る時ラジオを聴く。ラジオは面白い。寝ているから、俺の身体も楽だ。そのとき思う。「なぜ俺は、このまま寝てちゃいけないんだ」と。

俺はいったい、なぜこの快適な空間を捨てて、明日朝早く起きて、地獄みたいな会社に嫌味を言われるために向かうんだ。この状態キープで、何が問題あるんだ?俺はこのままでいい。俺はこのままここで、ラジオを聴き続ける。それで、別にいいんじゃないか?

まあ、当然、いいわけはない。それではお金がなくなってしまう。それは分かっている。なのに、私は毎日この問いを、毎日突きつけられる。

理屈じゃない。理性がいくら、先のことを考えていたって、嫌なことを拒みたい好きなことをしたいという本能が、俺を説得に来る。

私はいつか、この誘惑に負けそうで怖い。今のところ、400勝無敗なので、大丈夫だ。